感情の赴くまま、余計なことまで口走ってしまう。言い終えてからハッとして、空いている方の右手で口を塞いだけど、時すでに遅しで。
『ああ、そのこと』
私の真意を知った冬以は、納得したように、どこか呆れたように呟いた。
『結局ほのかは……自分のこと――っていうか自分たちのこと? しか考えてないよね? そういうのを『自己中』って言うんじゃなかったっけ?』
言って冬以は、小さな嘲笑を漏らした。その嫌味ったらしい言い草にカチンときた。
「何とでも言えばいいよ。私が自己中? 我侭? そんなの何百回と言われてきたから、今更だよ。だからお願い。冬以の都合に合わせるから……」
『してないよ、なんにも』
私が喋っている途中で、また被せるように冬以が言葉を発した。
「え?」
『俺は、ほのかを抱いてない。キスもしてない。当然、同意も得てない』
「どういうこと?」
『『どういうこと?』って、そういうことだよ』
「酷いじゃん、冬以! 騙したの?」
『人聞きの悪い言い方すんなよ。俺、ほのかと『シた』なんて一言も言ってないよね?』
瞳の奥からじわり、悔し涙が滲み出す。けれど唇を噛み締めて、それが溢れ出すのを意識的に堪えた。
『ああ、そのこと』
私の真意を知った冬以は、納得したように、どこか呆れたように呟いた。
『結局ほのかは……自分のこと――っていうか自分たちのこと? しか考えてないよね? そういうのを『自己中』って言うんじゃなかったっけ?』
言って冬以は、小さな嘲笑を漏らした。その嫌味ったらしい言い草にカチンときた。
「何とでも言えばいいよ。私が自己中? 我侭? そんなの何百回と言われてきたから、今更だよ。だからお願い。冬以の都合に合わせるから……」
『してないよ、なんにも』
私が喋っている途中で、また被せるように冬以が言葉を発した。
「え?」
『俺は、ほのかを抱いてない。キスもしてない。当然、同意も得てない』
「どういうこと?」
『『どういうこと?』って、そういうことだよ』
「酷いじゃん、冬以! 騙したの?」
『人聞きの悪い言い方すんなよ。俺、ほのかと『シた』なんて一言も言ってないよね?』
瞳の奥からじわり、悔し涙が滲み出す。けれど唇を噛み締めて、それが溢れ出すのを意識的に堪えた。



