わたしとあなたのありのまま ‥3‥

『電話じゃ駄目なの?』

やがて冬以がボソッと呟く。その声には不満な気持ちが露骨に滲み出ていて、私の決意が折れそうになる。


「直接会って、冬以に聞きたいことがある」

『何でしょう?』

冬以は冷ややかに問う。

その噛み合わない返しに、人の話ちゃんと聞いてんの? って腹が立った。


「だからっ! 会って話した……」

『もうやめて?』

冬以がほんの少し語調を荒げて、私の言葉を遮った。


『もう勘弁してよ、まじで。しんどいんだって……ほんと、しんどい。ほのかは――

――どこまで俺を苦しめれば気が済むの?』


冬以の声の、さっきとは打って変わって縋るような弱々しさが、私の胸を苦しくさせた。でも……。


「苦しめるつもりなんかないよ、ごめん」

『だったらもう、俺のことはほっといてよ。俺の方も、ほのかには二度と近付かないって決めたんだ。だからほのかも、そうして?』


そんな風に言われちゃったら、どうしたらいいかわからなくなる。迷いが生まれる。でも……。


「たとえ冬以を苦しめることになるんだとしても、私は確かめたい。冬以と本当にエッチしたのかどうかが知りたい。

結果がどっちでも、どっちだとしても、真実をうやむやにしたら私たちは……私と田所は前に進めない。それってそんなに我儘なこと? そんなにイケないことかな?」