『電話じゃ駄目なの?』
やがて冬以がボソッと呟く。その声には不満な気持ちが露骨に滲み出ていて、私の決意が折れそうになる。
「直接会って、冬以に聞きたいことがある」
『何でしょう?』
冬以は冷ややかに問う。
その噛み合わない返しに、人の話ちゃんと聞いてんの? って腹が立った。
「だからっ! 会って話した……」
『もうやめて?』
冬以がほんの少し語調を荒げて、私の言葉を遮った。
『もう勘弁してよ、まじで。しんどいんだって……ほんと、しんどい。ほのかは――
――どこまで俺を苦しめれば気が済むの?』
冬以の声の、さっきとは打って変わって縋るような弱々しさが、私の胸を苦しくさせた。でも……。
「苦しめるつもりなんかないよ、ごめん」
『だったらもう、俺のことはほっといてよ。俺の方も、ほのかには二度と近付かないって決めたんだ。だからほのかも、そうして?』
そんな風に言われちゃったら、どうしたらいいかわからなくなる。迷いが生まれる。でも……。
「たとえ冬以を苦しめることになるんだとしても、私は確かめたい。冬以と本当にエッチしたのかどうかが知りたい。
結果がどっちでも、どっちだとしても、真実をうやむやにしたら私たちは……私と田所は前に進めない。それってそんなに我儘なこと? そんなにイケないことかな?」
やがて冬以がボソッと呟く。その声には不満な気持ちが露骨に滲み出ていて、私の決意が折れそうになる。
「直接会って、冬以に聞きたいことがある」
『何でしょう?』
冬以は冷ややかに問う。
その噛み合わない返しに、人の話ちゃんと聞いてんの? って腹が立った。
「だからっ! 会って話した……」
『もうやめて?』
冬以がほんの少し語調を荒げて、私の言葉を遮った。
『もう勘弁してよ、まじで。しんどいんだって……ほんと、しんどい。ほのかは――
――どこまで俺を苦しめれば気が済むの?』
冬以の声の、さっきとは打って変わって縋るような弱々しさが、私の胸を苦しくさせた。でも……。
「苦しめるつもりなんかないよ、ごめん」
『だったらもう、俺のことはほっといてよ。俺の方も、ほのかには二度と近付かないって決めたんだ。だからほのかも、そうして?』
そんな風に言われちゃったら、どうしたらいいかわからなくなる。迷いが生まれる。でも……。
「たとえ冬以を苦しめることになるんだとしても、私は確かめたい。冬以と本当にエッチしたのかどうかが知りたい。
結果がどっちでも、どっちだとしても、真実をうやむやにしたら私たちは……私と田所は前に進めない。それってそんなに我儘なこと? そんなにイケないことかな?」



