わたしとあなたのありのまま ‥3‥

また目の奥がじんじんし始めたけど、今は我慢。


「私、自分を信じたい……信じてるけど、でも曖昧なままだときっと、わだかまりが残るような気がする。だから、ちゃんと確かめようと思う」


「だな」

軽い感じで田所は同意して、ふっと息を漏らして笑った。



「けど結果がどっちでも、俺の気持ちは変わらない」


とうとう……私の涙腺は崩壊した。止め処なく頬を伝うそれは、ぼたっぼたっと地面に落下して、小さな染みをいくつも作った。



「ブヒブヒ泣くな、うるせぇ」

いつもの毒舌が、私の鼓膜を優しく叩く。


「ハゲ」

嗚咽まじりに言い返した。


「ぶた」

「うんこ」

「キューピーちゃん」


新手の悪口にちょっとだけ驚いた。でも、そんなの今はどうでも良くて。



「大好き。田所、大好き」

我慢できずに田所の腕を振り解いて、勢いよく身体を回転させた。そうして田所のうなじに両腕を巻き付けて、愛しいその人にぎゅうっとしがみ付いた。


「いちいち言わんでよろしい」

田所も私の腰に腕を回して、苦しいぐらいに抱き締めてくれた。



「俺もだから……」


ぼそり、囁いた田所の声はとても小さくて。でもそれは、じわりと私の中に沁み込んで、全身を幸せで満たした。