お弁当を食べ終えて、いつもの様に二人して中庭へと向かった。
心配そうな面持ちで、隣を歩く私をチラチラ盗み見ている綾子に、
「今日は田所いるかなぁ」
敢えて明るい調子で言って、笑ってみせた。
「いる……んじゃない?」
おずおずと小さな声で返してきた後、綾子は黙り込んでしまった。
中庭に到着したら、照哉くんがすぐに声を掛けてくれた。
その隣には、瀬那くんもいる。気まずい……。
「ほのちん、久しぶりー。ちょっと見ないうちに大きくなったなぁ」
親戚の叔父さんみたいなことを言って、いつも通りふざける瀬那くんに、ちょっとだけ安心した。
「昨日も会ったし」
事実をそのまま返せば、それは期待通りだったらしく、瀬那くんは嬉しそうに喉を鳴らして笑った。
田所は――いない?
ざっと辺りを見回してみたけど、やっぱりどこにも見当たらない。
そんな私に目ざとく気付いた照哉くんが、
「悠斗なら、今さっきトイレ行った。すぐ戻って来ると思う」
優しく教えてくれた。
照哉くんって、ほんっとに素敵男子だと思う。周りへの気配りも完璧で、常に気の利いたことが言える人。
それに引き換え瀬那くんは……。
「わかんねぇよ、うんこかも。うんこ(田所)からうんこが出て来るわけだから、それはもはや、排泄ではなく出産だよな? 祝、二世誕生!」
生粋のアホだな、こいつ。
心配そうな面持ちで、隣を歩く私をチラチラ盗み見ている綾子に、
「今日は田所いるかなぁ」
敢えて明るい調子で言って、笑ってみせた。
「いる……んじゃない?」
おずおずと小さな声で返してきた後、綾子は黙り込んでしまった。
中庭に到着したら、照哉くんがすぐに声を掛けてくれた。
その隣には、瀬那くんもいる。気まずい……。
「ほのちん、久しぶりー。ちょっと見ないうちに大きくなったなぁ」
親戚の叔父さんみたいなことを言って、いつも通りふざける瀬那くんに、ちょっとだけ安心した。
「昨日も会ったし」
事実をそのまま返せば、それは期待通りだったらしく、瀬那くんは嬉しそうに喉を鳴らして笑った。
田所は――いない?
ざっと辺りを見回してみたけど、やっぱりどこにも見当たらない。
そんな私に目ざとく気付いた照哉くんが、
「悠斗なら、今さっきトイレ行った。すぐ戻って来ると思う」
優しく教えてくれた。
照哉くんって、ほんっとに素敵男子だと思う。周りへの気配りも完璧で、常に気の利いたことが言える人。
それに引き換え瀬那くんは……。
「わかんねぇよ、うんこかも。うんこ(田所)からうんこが出て来るわけだから、それはもはや、排泄ではなく出産だよな? 祝、二世誕生!」
生粋のアホだな、こいつ。



