わたしとあなたのありのまま ‥3‥

「瀬那くん……どうしてこんなことするの?」


「『どうして』って……ヤりたいから? でもそれって、別に不思議でも何でもなくね? 思春期男子の健康的で純粋な欲望でしょ」


「正当化しないでよ。こんなの……こんなの犯罪じゃない」


「ひでぇな、ほのちん。両者同意のもとでのセックスは犯罪じゃないっしょ?」


「同意なんかしてない。絶対しない!」


「今は、ね? なんも考えず、全部俺に委ねてみろよ。さいっこーに気持ち良くさせてやるから」


命令口調なのに優しく響く色艶のある囁き。ぞくり、悪寒に似た何かが身体の奥底で疼いた。



瀬那くんの右手が私の首筋を、下から上へとゆっくり丁寧に伝う。そして、大きくて骨張ったそれに、左頬をすっぽり包まれた。

瀬那くんはやっぱり男なんだ、と。痛烈に思い知る。



瀬那くんとの戦いというより、自分の中の恐怖との戦いだった。負けたら終わりだ。恐怖に呑み込まれてしまったら、言葉が出なくなる。

身体で拒否できない今、言葉での拒否だけが、私にできる唯一の意思表示。



「お願い、もうこんなことやめて? だって瀬那くんは――

――田所の友達でしょ?」


藁をも縋る思いで田所の名を口にした。