わたしとあなたのありのまま ‥3‥

「じゃあさ、」

瀬那くんは半身を前倒し、壁に背中を預けて座っていた私のうなじへと左腕を回した。

そうして乱暴に抱き寄せられたと思ったら、そのまま床の上に押し倒された。


本当に一瞬のことで。しかも、凄まじい力強さに抵抗なんかできなくて。



「俺にもヤらせてよ」

組み敷いた私を冷ややかに見下げ、瀬那くんは何でもないことのように軽い口調で言う。


自分の耳を疑った。瀬那くんがこんなこと言うなんて、信じられない。



「何言ってんの? 冗談はやめてよ」

瀬那くんの胸を両手で思いっきり押しやって逃れようとしたけど、それは意外にも頑丈でびくともせず。


逆に両手首を捕らえられ、顔の横に貼り付けられた。下半身は瀬那くんの両足に挟まれていて、抵抗どころか身動きすらできない。



瀬那くんの顔が目の前に落ちて来て、その唇が私のそれに触れそうになる。反射的に顔を横向けて、何とかそれをかわした。


そうしたら、今度は私の耳元に唇を寄せて、瀬那くんは掠れた声で囁いた。

「浮気なんか――

一人も二人も一緒だろ?」