わたしとあなたのありのまま ‥3‥

それでも疑心は拭いきれなくて。『自分を信じろ』って言われても、信じきれないから困っているわけで。


「でも冬以が……冬以のあの時の態度、そういうことが本当に無かったんだとしたら、説明つかない」


あの朝、目を覚ました私に、冬以はまるで恋人のように振舞った。それってやっぱり、そういうことシちゃったってことじゃないの?



「アイツの……嵯峨崎先生の芝居じゃね?」


「冬以はそんな人じゃないよ。そんな……私を騙すようなそんな卑劣なこと、絶対にしない」

思わず躍起になって言い返し、ハッとして両手で口を塞いだ。


そういう事実がなかったことを切に願いながらも、肯定しちゃってる自分、一体何なの? もう頭ん中がこんがらがって、訳が分からない。



途端、瀬那くんの顔から笑みが消えた。


「ああそっ。じゃ、やっぱほのちん、アイツとヤったんじゃね?」

酷く冷淡な口調で言い、

「……ってことでオーケー?」

そう続けて、ふっと薄く笑んだ瀬那くん。


その笑顔のあまりの冷酷さに、ひんやりと寒気を感じて思わず身震いする。