瀬那くんはゴミ箱とか、ベッドの下とか、部屋中を隈なく調べた。その表情は真剣そのもので。
どうして私なんかのために、瀬那くんがここまでしてくれるんだろう、と。
部屋の端っこに膝を抱えて座った私は、そんな瀬那くんの様子を不思議な気持ちで眺めていた。
机の上に置いてあるボックスティッシュを指差して、
「これ、この位置であってる?」
なんて真顔で聞かれたりもした。
コクッと頷いて返事に代える。
やっぱり恥ずかしい。でも瀬那くんは、私のためにしてくれているんだと信じて、顔面を熱くする羞恥心にひたすら耐えた。
やがて、瀬那くんはおもむろに捜索を打ち切り、部屋の真ん中に胡坐をかいて座り込む。
ふっ、と溜息みたいな何かを短く吐き出してから、
「やっぱそんな痕跡、どこにもねぇわ。俺が見たところ、既成事実はなかったって断言できる。ほのちん、自分を信じろって」
言って、瀬那くんはふわっと笑った。
瀬那くんは、私の部屋を気が済むまで調べて、そうしてまるで自分のことのように安堵したみたい。
これは田所と私と……そして冬以、三人の問題だ。でも瀬那くんにとって、それは決して他人事(ひとごと)なんかじゃないんだ。
そんな風に思ったら、胸の奥がじんと熱くなった。
どうして私なんかのために、瀬那くんがここまでしてくれるんだろう、と。
部屋の端っこに膝を抱えて座った私は、そんな瀬那くんの様子を不思議な気持ちで眺めていた。
机の上に置いてあるボックスティッシュを指差して、
「これ、この位置であってる?」
なんて真顔で聞かれたりもした。
コクッと頷いて返事に代える。
やっぱり恥ずかしい。でも瀬那くんは、私のためにしてくれているんだと信じて、顔面を熱くする羞恥心にひたすら耐えた。
やがて、瀬那くんはおもむろに捜索を打ち切り、部屋の真ん中に胡坐をかいて座り込む。
ふっ、と溜息みたいな何かを短く吐き出してから、
「やっぱそんな痕跡、どこにもねぇわ。俺が見たところ、既成事実はなかったって断言できる。ほのちん、自分を信じろって」
言って、瀬那くんはふわっと笑った。
瀬那くんは、私の部屋を気が済むまで調べて、そうしてまるで自分のことのように安堵したみたい。
これは田所と私と……そして冬以、三人の問題だ。でも瀬那くんにとって、それは決して他人事(ひとごと)なんかじゃないんだ。
そんな風に思ったら、胸の奥がじんと熱くなった。



