けれど、
「名前とクラス」
武井が唐突にそんなことを言うもんだから、
「はっ?」
瀬那くんは驚いたようにバサッと顔を上げ、すっかり素に戻って教壇を振り返った。
「だから、お前の名前とクラスを言えって」
『バレてたぁー』
こちらに向き直り、口の動きだけで私に訴えてきた瀬那くんに、
「当たり前だろ」
と冷ややかに返す。
「早く、名前とクラス言え。授業始めらんねぇだろーが」
武井の有無を言わさぬ口調に、瀬那くんは素早く立ち上がる。そうしてピシッと気を付けをして、
「3年6組、二階堂照哉でっす!」
あろうことか照哉くんに罪をなすりつけやがった。
こっそり綾子を盗み見れば、冷ややかに目を細めてこちらを見ていた。
こっわー。
「3年8組、鏑木瀬那。不法侵入と事実詐称で、こりゃお仕置きだなぁ。この一件に関する処分は、担任の鵜飼先生に一任する。帰ってよし! さ、授業はじめっぞー」
「名前とクラス」
武井が唐突にそんなことを言うもんだから、
「はっ?」
瀬那くんは驚いたようにバサッと顔を上げ、すっかり素に戻って教壇を振り返った。
「だから、お前の名前とクラスを言えって」
『バレてたぁー』
こちらに向き直り、口の動きだけで私に訴えてきた瀬那くんに、
「当たり前だろ」
と冷ややかに返す。
「早く、名前とクラス言え。授業始めらんねぇだろーが」
武井の有無を言わさぬ口調に、瀬那くんは素早く立ち上がる。そうしてピシッと気を付けをして、
「3年6組、二階堂照哉でっす!」
あろうことか照哉くんに罪をなすりつけやがった。
こっそり綾子を盗み見れば、冷ややかに目を細めてこちらを見ていた。
こっわー。
「3年8組、鏑木瀬那。不法侵入と事実詐称で、こりゃお仕置きだなぁ。この一件に関する処分は、担任の鵜飼先生に一任する。帰ってよし! さ、授業はじめっぞー」



