「さて、ほのちん」
立ったまま私を見下げて、瀬那くんは妙に改まった口調で言う。
「全部話してもらおうか」
そう続けて、瀬那くんは悪戯っぽく笑った。
小悪魔的なその微笑は、油断すると見惚れてしまうほどに魅力的だ。
全てにおいて、いちいち計算されているんじゃないかと疑うほど、ビジュアル的には完璧な瀬那くん。
とにかく無性に腹立たしい。
「どうして瀬那くん『なんか』にっ!」
ぶうっとふて腐れて返せば、
「『なんか』だとー?」
言いながら、ブレザーのサイドポケットから自分のアイフォンを取り出した。
瀬那くんのアイフォンには、小さな懐中電灯がくっついたストラップがぶら下がっている。それを親指と人差し指で摘まんで、私の面前に突きだした。
「吐け、吐いて楽になっちまえ」
言って、どこかのスイッチを押したのか、小さな懐中電灯がチカッと弱々しい光を放った。
「へぇ……何で携帯にそんなもん付けてんだろって、ずっと不思議だったんたけど、そういうことに使うためなんだ」
「使わねぇよ」
すかさず否定して、瀬那くんは面白くなさそうに、再びそれを元の場所に戻した。
立ったまま私を見下げて、瀬那くんは妙に改まった口調で言う。
「全部話してもらおうか」
そう続けて、瀬那くんは悪戯っぽく笑った。
小悪魔的なその微笑は、油断すると見惚れてしまうほどに魅力的だ。
全てにおいて、いちいち計算されているんじゃないかと疑うほど、ビジュアル的には完璧な瀬那くん。
とにかく無性に腹立たしい。
「どうして瀬那くん『なんか』にっ!」
ぶうっとふて腐れて返せば、
「『なんか』だとー?」
言いながら、ブレザーのサイドポケットから自分のアイフォンを取り出した。
瀬那くんのアイフォンには、小さな懐中電灯がくっついたストラップがぶら下がっている。それを親指と人差し指で摘まんで、私の面前に突きだした。
「吐け、吐いて楽になっちまえ」
言って、どこかのスイッチを押したのか、小さな懐中電灯がチカッと弱々しい光を放った。
「へぇ……何で携帯にそんなもん付けてんだろって、ずっと不思議だったんたけど、そういうことに使うためなんだ」
「使わねぇよ」
すかさず否定して、瀬那くんは面白くなさそうに、再びそれを元の場所に戻した。



