「ストップ!」
瀬那くんは歯切れのいい声で言い放ち、ナルちゃんに向かって手の平をかざした。
途端、ナルちゃんはヒタと足を止め、その場に固まった。
まるで従順な犬みたいだ。瀬那くん、恐るべし。
「悪いけど、今日は絡んでこないで?」
まるで愛を囁くかのような甘い声音で言って、瀬那くんは目を細めて艶やかに笑む。
どんだけ上から目線なんだよ、と腹立たしく思うも、
「見てるだけならいいですか?」
ナルちゃんはどこまでも彼に従順だ。一段と、はらわたがグツグツ煮えくり返る。
瀬那くんは満足げに小さく頷き、
「それはナルちゃんの自由」
真面目くさった顔でそう答えると、ナルちゃんには何の未練も残さずこちらに視線を戻した。
ひっどい扱われ様なのにナルちゃんは、たまたま傍にいた女子に、「見てるだけならいいって」などと言ってはしゃいでいる。
ナルちゃんの心臓には、『毛』どころか『木』が鬱蒼と生い茂って、ジャングルみたいになっているんじゃないかと思う。
瀬那くんは歯切れのいい声で言い放ち、ナルちゃんに向かって手の平をかざした。
途端、ナルちゃんはヒタと足を止め、その場に固まった。
まるで従順な犬みたいだ。瀬那くん、恐るべし。
「悪いけど、今日は絡んでこないで?」
まるで愛を囁くかのような甘い声音で言って、瀬那くんは目を細めて艶やかに笑む。
どんだけ上から目線なんだよ、と腹立たしく思うも、
「見てるだけならいいですか?」
ナルちゃんはどこまでも彼に従順だ。一段と、はらわたがグツグツ煮えくり返る。
瀬那くんは満足げに小さく頷き、
「それはナルちゃんの自由」
真面目くさった顔でそう答えると、ナルちゃんには何の未練も残さずこちらに視線を戻した。
ひっどい扱われ様なのにナルちゃんは、たまたま傍にいた女子に、「見てるだけならいいって」などと言ってはしゃいでいる。
ナルちゃんの心臓には、『毛』どころか『木』が鬱蒼と生い茂って、ジャングルみたいになっているんじゃないかと思う。



