「俺はほのかと――
これからもずっと一緒にいたいし」
田所は前を向いたまま、柔らかい声音で言った。それはすごく嬉しい言葉だったけど、だから余計に苦しくなった。
返す言葉が見付からなくて、穏やかだけど心なしか寂しげにも見えるその横顔を、並んで歩きながらただ見上げていた。
そしたら田所が不意にこちらを向く。
「だから、」
そう口を開いて、田所はふっと、躊躇いがちに苦笑を浮かべた。
「もしそれが気まずくなるような話だとしても……。だったら尚更、ちゃんと話し合うべきじゃね? 正直、聞きたくねぇけど、聞かなきゃなんねぇかなって……思う」
言って田所が、酷く辛そうに微笑んで見せるもんだから、胸がぎゅうっと締め付けられた。
ほとんど無意識的に足を止めていた。だから田所も、少し遅れて立ち止まり、ゆっくりと私を振り返る。
「シちゃった……冬以と……」
それはスルリと、私の口からこぼれ出た。
「はっ?」
田所が有り得ないぐらいに目を見張る。
たちまち目の奥が燃えるように熱くなって、視界の中の田所がじわりと滲んだ。
これからもずっと一緒にいたいし」
田所は前を向いたまま、柔らかい声音で言った。それはすごく嬉しい言葉だったけど、だから余計に苦しくなった。
返す言葉が見付からなくて、穏やかだけど心なしか寂しげにも見えるその横顔を、並んで歩きながらただ見上げていた。
そしたら田所が不意にこちらを向く。
「だから、」
そう口を開いて、田所はふっと、躊躇いがちに苦笑を浮かべた。
「もしそれが気まずくなるような話だとしても……。だったら尚更、ちゃんと話し合うべきじゃね? 正直、聞きたくねぇけど、聞かなきゃなんねぇかなって……思う」
言って田所が、酷く辛そうに微笑んで見せるもんだから、胸がぎゅうっと締め付けられた。
ほとんど無意識的に足を止めていた。だから田所も、少し遅れて立ち止まり、ゆっくりと私を振り返る。
「シちゃった……冬以と……」
それはスルリと、私の口からこぼれ出た。
「はっ?」
田所が有り得ないぐらいに目を見張る。
たちまち目の奥が燃えるように熱くなって、視界の中の田所がじわりと滲んだ。



