わたしとあなたのありのまま ‥3‥

「ほのか」

不意に名を呼ばれ、ハッとしてようやく我に返った。


隣を見上げれば、田所はふっと、どこか困ったような苦笑を薄っすら浮かべ、そうして歩き始めた。

田所に手を引かれて、私も再び足を動かす。



「あのさ、」

遠慮がちに口を開いた田所は、でもすぐに黙り込んでしまう。


弱虫の私は、耐え切れずに視線を逸らして俯いた。



不安で頭がどうにかなりそうだった。

心臓の鈍い音が身体中に響く。



「そっとしといてやろうと思ったけど、やっぱちゃんと話し合った方がいんじゃね?」

軽い感じの口調だったけど、それは深刻さをごまかそうとして、田所が意図的にそうしているのだと嫌でも気付く。



「それは……冬以のこと?」

聞かなくてもわかっているけど、確認してみる。だって他に返す言葉なんか見付からない。



「ん……」

小さく頷いて、田所はふわっと笑う。だけど私からすっと視線を逸らして正面に向き直った。