わたしとあなたのありのまま ‥3‥

「わかった。三分で何とかする。早口で言えば、ギリいける」

進藤くんは自分で自分を納得させているようだ。この人、ちょっと変わってんのかな? 勉強のし過ぎかな?



「ここじゃ何だから……」

進藤くんはチラと田所に視線をやって、再び私に向き直り、

「秋山さん、場所変えよ?」

と続けた。



進藤くんから顔を逸らして、じっとりと隣の田所を見やれば、

「おら、行って来い」

と。

いつもの有無を言わさぬ命令口調に、心が打ちのめされた。



仕方がないからゆるゆると立ち上がる。そうしたら、何故だか田所も同じように立ち上がった。



「だから僕は秋山さんに……」

進藤くんがそれを咎めるように田所に向かって口を開くと、すかさず田所が、

「おい、ブタ、手ぇ離せ」

私の耳元で酷く不機嫌な声音で呟いた。