わたしとあなたのありのまま ‥3‥

「ってことで。綾子とほのか、一緒に見に行こっ」

ナルちゃんは、間にむりくり割り込んで、私と綾子の腕を自分の両腕で絡め取った。



「いい、私は見たくない。綾子と行って」

ナルちゃんが抱え込んでいる私の腕を、勢いつけて引っこ抜いた。



「あ、ほのか狡い。私だって興味ないし」

すかさずそう言って、綾子も私と同じようにしてナルちゃんの拘束から逃れた。



「酷いー」

わざとらしく半べそをかいて見せ、ナルちゃんは同情をひこうとするけれど、そうはいくか。


「酷くない、酷くない。そんなに見たかったら一人で行けばいいじゃん。『お一人様のご入場はお断り』って訳じゃないでしょ? カップル喫茶じゃあるまいし」

ちょっと冷たいかも知れないけど、でもでも私の主張は間違ってはいないはず。



「俺が一緒に行こうか?」

そう言ったのは瀬那くん。その場に居た全員の視線が一斉に彼の方へと向く。


ナルちゃん久し振り、そう言って瀬那くんは、魅惑の営業用スマイルを見せた。