わたしとあなたのありのまま ‥3‥

そうなの?

壊れ気味の瀬那くんしか私は知らないから、あれが普通だと思っていたのですが。



「新しい彼女作りゃいーのにって……俺は思う」


左膝を抱えたまま、伏し目がちにぼんやり前を見詰めて、田所は寂しげに呟いた。



友人の幸せを願うのは当たり前のことで。きっと誰もが同じ気持ちだ。

ただその願い方がそれぞれ違うだけで。



どれが正しいかわからないけど、そのどれもがきっと、瀬那くんに届いている、そう信じたい。




「セックスしない瀬那なんて、飛べない鳥と一緒だろ?」

意味不明な例えを口にしながら、田所は俯いていた顔を上げてこちらを向く。


そして、ニッと両の口角を上げて、一瞬だけ笑みに似た何かをその顔に浮かべた。



「『飛べない鳥』って……。ニワトリじゃん。もう卵産ませるしかないじゃん」

同じく意味不明な言葉で返せば、

「『卵』……プッ……」

田所は小さく吹き出して、でもどこか寂しげに笑った。