しばらくの沈黙の後、急に思い出したように瀬那くんが、
「そういや、ほのちんは何出んの?」
と聞く。
そっかぁ、そうだよね。尋ねたら尋ね返される。そんなの当たり前のことなのに、どうしてだか全く思いも寄らず。
「私は……」
言いたくなくて口籠った。
「もったいぶんなよ、よけ気になんだろ」
田所にまでそう言われ、渋々「綱引き」と答えた。
ぶっ――
両サイドが同時に吹き出した。
だから言いたくなかったんだ。
みんなが熱き戦いに盛り上がる中、華も何もない地味な綱引き。
私らしいと言えば私らしいけど。寧ろ、らし過ぎて笑われているんだと思うけど。



