もう何コレ? 田所、完全に心が迷子じゃん。

多分、今自分が何を言っているのか、自分自身もわかっていないんじゃないかな。



相当な勢いで腹が立ったし苛々もした。


でも、愛のパワーで耐えろ、耐えるんだほのか、と。何度も何度も心の中で繰り返して、自分で自分に言い聞かせる。



「しっかりしてよ、田所。盛りがついてるついてないから、そろそろ離れて?」


できるだけ優しい声音で言いながら、両膝を地に落とした。そうして田所の顔を両手でそっと挟んで、膝の間から引っこ抜くようにして持ち上げた。



顔はこちらに向いたけど、田所は視線を下に落としたままで、私と合わせてくれない。



「ねぇ田所……どうしてそんなに不安になっちゃうの? 私はいつだって田所しか見てないのに。田所だけなのに。田所以外の男子なんかみんな一緒だよ、ジャガイモだよ」