そんなことをぼんやり考えていたら、ポスッと、私の膝の上に何かが落ちて来た。



「この弾力、サイコー」

上機嫌な声を漏らした膝の上の美麗な横顔に、「何やってんの?」と問えば、

「暇。寝る」

と。単語二つが素っ気なく返って来た。



うーん。堪らなくキュンなシチュエーションなのだけど……。

どうも何かが腑に落ちない。



でも――

寝顔も綺麗……そして可愛い、食べてしまいたいぐらい。



サラサラの真っ直ぐな黒髪にどうしても触れたくなって、そうっと撫でてみた。


「触んな」

すかさず目を閉じたままの田所が、冷ややかに言い放つ。