時は今から二週間前まで遡る。




お昼休み、私と綾子、そして田所と照哉くんは、いつも昼食を済ませた後、中庭で落ち合う。もうこれ日課。


何故中庭かと言うと、そこは秘密の喫煙スポットだから。



照哉くんは、その中性的な容姿からは想像もつかないのだけど、愛煙家だ。



私と綾子が中庭へ行くとすぐ、田所は何も言わずに少し離れたベンチへ移動する。もちろん私もそんな田所についていく。


私は煙草の煙が苦手だ。多分、田所はそれに気付いているんだと思う。



綾子も煙草を吸わないから、きっと煙、嫌だと思うんだけど。でもそれ以上に照哉くんの傍に居たいって気持ちが大きいんだと思う。愛のパワーは偉大。