――2年前。











俺は、綾音が死んで色を失った毎日を過ごしていた。
そんなある日―








「アンタねぇ...
そんなフ抜けた顔で街を歩かれると家の営業に影響するのよ。
やめてくれない?もっと堂々とした顔で歩きなさい。」







いつも俺をほったらかしにしているくせに、家の営業の問題になると急に母親面して説教をくらわすコイツが俺は大嫌いだった。







親父も俺をほったらかしにしてるけど、特に父親面することもなく全体的にほったらかしだし、金は何も言わないでもくれるから、さほど嫌いではなかった。








でもコイツは自分の都合で母親面して、めんどくさい事になるとほったらかし...
正直人間として最低だと思った。









『…テメェに何がわかんだよ』