「おー走ってんな~」 のんきな声が背後から聞こえる。 今、一番聞きたかった声だった。 「祐也君!どこ、いってた…ひゃっ!」 とがめようと思ったのに頬に冷たいものが当たって言えなかった。 「とくべつに、おごってやるよ」 ぶっきらぼうに横を向いて言う。 その姿がなんか微笑ましくて、祐也君にばれないようにクスリと笑った。