『なぁ、ダメ?』
「だめって、訳じゃないんだけど……」
気が乗らないから嫌だ。
そう言いたかったのに、新木はとんでもない勘違いをしてくれた。
『マジで!よし、じゃあよろしく!これから、この学校内では俺ら付き合ってることにするから!』
「ちょ、ちょっと待ってよ!ふざけんな勘違い男」
まずいことになった。
このままでは一日で、学年中、いや学校中にまで、この噂が広まってしまう。
いろんな人から質問攻めに合うに違いない。
とりあえず、真由子に相談しよう。
そう決めて、廊下に出た。
『イェーイ!俺、今日から夏香の彼氏でーす!』

