センパイの前では、俺はいい子でいたい。

きっとセンパイは、なんでも言うことを聞く人が好きだろうから。



追いかける側の俺は、センパイの希望に沿わないと。




どんなに馬鹿にされても、
どんなに冷たくされても、

どうしても、諦められない。


そうさせたのが、センパイだ。











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『やっぱ、砂原くんかっこいいよね』

『やばいね、美少年だね』

『この学年で、一番かっこいいよね』

『性格もクールだけど、ほんとは優しいよね~』




そんなひそひそ声が聞こえて、思わず顔をしかめた。




…どうか、センパイに聞こえていませんように。