センパイから初めてもらった手紙は、謝罪の言葉で溢れていた。
4回も“ごめん”と書いていることに、センパイ自身、気付いているだろうか。
―たしかに、センパイは強気だ。
いつも上から目線だし、偉そうだし、自己中心的だし、好き勝手だし、自由奔放だし。何回も、胸を刺されるようなことも、言われた。
―でもそこが、センパイの魅力だ。
強気じゃないセンパイは、なんとなく変だ。
人間なんて見向きもしない猫が、物音がするだけで逃げるネズミになっては、だめだ。
だから、
センパイは、俺の方なんて、
見向きもしない。
いや、見てはいけない。