…あれ。
こういうときの勘は、やけに当たるんじゃなかったのか?
冷静に考えてみれば、だ。
まだ、ほとんど初対面に等しい人に、唐突に“そういう”ことを聞かれるほうが、おかしいのだ。
――なにをあたしは、心配してたんだ
『…先輩?』
「…あ、うん。やると思う」
『本当ですか!?私、後期に学年委員やりたいと思ってるんです!生徒総会のときに、前で話されていた野坂先輩のこと見て、すごくカッコいいなって…。あ、それから、新入生説明会のときも、すごくカッコよくて、素敵で、先輩みたいになりたいって、ずっと思ってたんです!だから先輩の……』
うわ。なんだこの子。
激しすぎるマシンガントーク。
よくこんなに一気に喋って、ネタが尽きないな…。
『…そういうわけで、よろしくお願いします!』
「ん?あ、あぁ、よろしく」
ごめんね、折角たくさん喋ってくれてたのに。
でもあたし、一気に喋られると、聞く気が失せるの、ごめん。
とは、さすがに言わなかったけれど。

