結局、コーハイへの謝罪の手紙を書くことを、次の日までの宿題として課され、真由子の激しい質問攻めからは、逃れることができた。
(…手紙っていっても、なに書けばいいのさ)
そんな真由子からの宿題に、素直に応じるあたし。
まぁ、偉いでしょう?
こんなこと言ったら、真由子に怒られそうだけど。
(……はぁ、)
“コーハイへ”の先が、進まない。
窓の外が暗くなっているのにも気付かず、何時間も机に向かっていたあたしを見て、きっとお母さんは不審に思っただろう。
でも、そのくらい、
今のあたしは真剣だ。
(…よし、書こう。)
なんとか書き終えたあたしは、“真剣に書いた感”が伝わるように、シンプルな水色の封筒に便箋をいれて、鞄にしまった。
一日中、コーハイを考えた日だった。

