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『最近、夏香の彼氏、来なくなったねぇ』
「…忙しいんじゃないの。
それに、彼氏じゃないと何度言ったら…」
口で言うことと、頭で考えることと、最近食い違うことが多い。
彼が来なくなった理由は、忙しいことだけじゃない。たぶん、いや絶対。
あたしがあのとき言った言葉は、自分が想像していたよりも、彼を傷つけてしまっていたようで。
廊下ですれ違っても、委員会で会っても、挨拶一つしてこなかった。
彼は、彼なりの方法で、
あたしから距離をおいている。
前までは、あんなにあたしにくっついていたのに。
反抗的な態度なんて、決して見せなかったのに。
―彼は今、ひどく遠いところにいる。