『センパイ、僕が彼氏って、どういうことですか』


「知らないよそんなことー」


『センパイのご友人は、そう言ってたじゃないですか』




“ご友人”だってさ。

一体どこまで礼儀正しいのよ。




「それは、真由子が勝手に言っただけだから」


『ふーん…、そうですか』


「…なによ、その不服そうな顔は。もしかしてあたしのこと好きなのー?」


『っ!』






――彼の、一瞬大きく開いた目を見て、あたしは激しく後悔した。









『センパイのこと…好き、だなんて、

一度も思ったことありませんから!』