『あっ! 夏香の彼氏!!』
『え?ええっ?』
「うるさい真由子っ」
あぁ、なんてことだ。
今日に限って、なんで午前中にここに来るの、キミは。
『…センパイ、どういうことなんですか?』
「気にしないでコーハイ、この人の言ってること聞かないで」
『夏香とどういう関係なの!』
「真由子、あっち行って!」
『(この叫んでる人、誰…)』
教室にいるほぼ全員の視線が、真由子とコーハイとあたしに注がれ、
真由子はそんなのお構い無しで、コーハイに質問攻めをし、
彼は彼で、真由子からの質問に真面目に答え……
「…だめだこりゃ」
あたしは、気が抜けたサイダーのように、ぐったり呟いた。

