気持ち




部屋へ入ろうとしない私の手を柊夜が取って連れて行こうとする。
抵抗しようとするけどかなわなくて、部屋の前まで来てしまった。ナースステーションの中は看護師さん達が忙しそうに仕事をしている。



この1歩…

部屋に入ってはいけない気がしてまた、立ち止まろうとするけど柊夜が優しく手を引き、悠汰先生が優しく背中を押して部屋に入ってしまった。



その後ベッドに座って悠汰先生から部屋にはトイレがないからトイレに行きたい時は必ず誰かに付き添ってもらうとか、部屋には鍵をかけるから用事がある時はナースコールを押すとかいろいろ説明を受けたけど、この現実を受け止められなくて説明の半分も頭に入ってこない。





しばらくすると柊夜と悠汰先生はお仕事があるからと部屋を出た。






静かな部屋に鍵のかかる音だけが響く








そっか…鍵かけるんだっけ…