「我が名はドリウス・ウォルフガング。ライアスに真名の契約を要請する。」
ドリウスが突然、謎の言葉を発した…ようにライアスは感じた。
「ドリウス?マナの契約って?それってドリウスのフルネームだよな?」
「真名の契約よろ。」
「いや、マナの契約って何?」
「真名の契約よろ。」
「2回言わなくても聞こえてたよ!」
「大事なことなので2回言いました。」
「血の契約のときもこんなカンジで押しかけ契約された気がする…。」
「真名の契約のほうが束縛がちょっときついんだけど、互いが得た力がリンクできる。」
ライアスが真名の契約の意味を知らなかったので、解説するドリウス。
「真名の契約よろ。」
「うわ。しつけぇ…。」
ライアスは頭を抱える。
「真名の契約よろ。」
ライアスは観念した。
「我が名はライアス・アセディア。ドリウスの真名の契約を受けてやる。」
真名の契約をした瞬間。互いの力がより強くなるのがわかった。
「上級悪魔…っぽくなったかも…尻尾さえ、見えなければ。」
ライアスは自分自身の姿を見てつぶやく。
「他にも色々な契約があるけど、血の契約は互いの自由がある程度保証されるカンジかな。一方的に破棄もできるし。」
ドリウスが説明しなかったところを更に説明する。
「真名の契約は、力のリンクが強くなるけど、一方的に契約破棄ができないカンジ。」
「何故俺と真名の契約を?」
ライアスがドリウスにたずねる。
「勝てない勝負はしない主義だ。」
ドリウスの言葉の意味がよくわからないライアス。
「必ず勝つとわかっていたらその万馬券は買いだろ。」
「説明がよくわからないが、とりあえず俺が神になる、に賭けたってことでいいのか?」
「だいたい合ってる。」
ドリウスはそう答えると満足気にニヤニヤしはじめた。
こうなるといつものドリウスだ。ライアスはいつもどおりのドリウスのことは気にしなかった。

それよりも、今ここにいないイブナクとアフストイのほうが少しだけ気になった。
しかし、しばらく考えた後、あいつらの心はあいつらにしかわかんねぇ、考えるのめんどくせぇ。ということで考えることをやめた。