「こうなりゃ傲慢のサキマとは根くらべだ。」
ライアスは宣言する。
「どうしたらいいかな…そうだな、執事のアバドンを呼びまくれ。主の仕事ができないくらいにな。」
ライアスは意地の悪そうな笑みを浮かべた。

早速ライアスは執事のアバドンを呼ぶための鈴を鳴らした。
間もなく扉がノックされる。
「ご用でしょうか。」
アバドンが完璧な執事の礼を取る。
「実は客人が1人増えたのでな。執事長自ら失礼のないようなベッドを選んで運んできてほしいのだが。」
ライアスが横柄な態度で執事に命じる。
「かしこまりました。」
アバドンは5分後にはベッドを解体して持ってきて、部屋の中で組み立てる。

アバドンがベッドを組み立てている最中に
「そういえばそろそろ喉が乾いたな、紅茶という人間界の飲み物が飲みたいんだが。スコーンという焼き菓子つきでな。」
ドリウスがまたアバドンに仕事を申し付ける。
「かしこまりました。」
アバドンはそう言うと10分後には紅茶とスコーンを持ってきた。

「おい、ミルクと砂糖がない。早く持って来い。」
次はライアスからの言いがかりである。
「大変申し訳ございません。」
アバドンはすぐにミルクと砂糖を取りに行き、持ってきた。
「おいおい紅茶が冷めちゃったじゃないか。新しい紅茶を所望する。」
ライアスが横柄な態度でさらにアバドンに言う。
アバドンは温まった紅茶とミルクと砂糖を取りに行くしかなかった。

紅茶を持ってきたアバドンに、次はアフストイが用事を申し付ける。
「ここ暇で飽きちゃった。魔法書を30冊くらい持ってきてくれないかな。」
「嫉妬の君のご要望とあらば。」
そう言ってアバドンは魔法書を30冊持ってくる。