「おっさん何してんの…」
料理を作った端から自分で平らげていく男悪魔に驚愕したライアスは意味がわからず尋ねてみた。
赤い髪に赤い目で、目立つ色合いの悪魔だった。男らしい容姿で、なかなかの美形である。
性別不詳のライアスや、どちらかというと女のような容姿のドリウスとは違った。
どう見ても上級悪魔のようだ。
「ウホッいい男…さすが城、上級悪魔の巣窟だな。」
おいおいドリウスお前も男だろ…と心のなかでライアスは突っ込んだ。
「料理を作って食べている。」
男悪魔が答えた。
「見りゃわかるがな…。」
ライアスがつっこむ。

「俺はライアス。おっさんは?」
「ノアだ。ルファン様が健在だったときは料理を作っていた。」
「ルファン様がいなくなってからの正確な情報が欲しいんだけど。」
ノアは呆れた様子で
「それだけの理由で下級悪魔風情が城に乗り込んでくるのか?」
とライアス達に聞いた。
「城の外は情報収集どころじゃないっす。」
ドリウスが事実を答える。
「そこの小娘はとっくに尻尾を失っておろうが。情けない。」
やはり格上の悪魔にはライアスの尻尾が幻だということはばれてしまうらしい。