ライアスは現状把握を開始した。
「アフストイ。俺がいない間に、月が何回出た?」
「うーん、10回くらいかな。」
「その間ずっと居留守ってことか。」
「あれ?ライアスちゃん、魔力の流れが視えるようになった?」
アフストイがライアスの言葉から、ライアスの変化に気づく。
「強欲のアーヤと契約してきた。」
ああそうそう、とライアスが付け加える。
「ドリウスも遥か昔に強欲のアーヤと契約済だったみたいだし。」
「そうみたいね。ユーギット殿の色香にやられないからタダモノじゃないと思ってたから。」
状況証拠もあるということで、アフストイはあまり驚いた様子はなかった。
そもそも、昨日既に念話でドリウス本人から聞いているから今更の情報であった。
ドリウスは飄々とした表情だった。

「魔界には昼も夜もないのか。」
イブナクが悪魔たちにとっては当たり前のことを聞く。
「ないな。」
ライアスが答える。
「そうだな。ないな。だから月が何回出たか、が人間界の何日か、に相等するな。」
ドリウスが補足する。

アフストイはライアスを見つめる。
「確かに最初会ったときより凄絶な美少女って感じになったね。」
「ふん。力がつけば容姿も良くなるからな。」
ライアスは大して面白くもなさそうにアフストイに答える。