サキマの屋敷のバルコニーに降り立つ。

アフストイは2人の影を見て、安堵した様子で窓を開ける。

ライアスとドリウスとその他1名の姿を認めると、
「ライアスちゃああぁぁぁぁああん…会いたかったぁあああああ…。」
ボロボロと涙を零すアフストイ。

ちょ、そんなに長い間不在だったっけ?と思って若干引きつつも面倒だったので
「あぁ、悪かったな。」
とおざなりに謝ったが、アフストイに熱烈に抱きしめられる。
「うぐぉぁ、苦しい、ぐ・る・ぢ・い…!!!」
「どれだけ心配したと思ってるのよぉおぉおおおお!」
「なんだなんだ、お仕置きの圧縮ラブなのか?!だとしたらヤンデレすぎるぞ!」
ライアスの抗議も虚しく、アフストイは抱きしめる腕の力を緩めない。

ドリウスはニヤニヤしながらその様子を見ていた。
「いつまで僕をお姫様抱っこしてるんだ。」
腕の中からそんな苦情が聞こえてくるまでは超絶放置プレイだったイブナクである。
「あぁ、もう安全だから下ろすか。」
ドリウスはイブナクを床におろす。
イブナクはアフストイとライアスを見て、面白くなさそうな顔をしていた。
あれで気づかないんだから、ライアスの鈍さは相当だよな、とドリウスは思いつつ、3人の(ライアスだけは無自覚な)三角関係を眺める。

「苦しがってるだろ。」
ドリウスの予想どおり、イブナクがアフストイに声をかける。
「あ、悪魔狩り!」
本当は最初から気がついていたし、ドリウスから念話で報告も受けていたのだが、アフストイは今気づいたかのような素振りを見せる。

実際、アフストイの圧縮ラブでライアスが目を回しかけていたのでアフストイはライアスを解放した。
「殺されるかと思った。」
ライアスは多少不機嫌そうな顔をしてアフストイから離れた。