ライアスは体を揺さぶられる感覚で起きた。
「ん~…あと5日…。」
「あと5日は長すぐる。」
半笑いの声が聞こえた。
「んっ…?」
ライアスは目を覚ました。
「ドリウス!」
「やっと起きたか。」
ドリウスはライアスの手首の縄に気づく。
「なんだこの縄。」
「ここに来た初日の夜にアーヤに会いに行ったのがバレてそれ以降イブナクが眠るときはずっとこれつけられてる。」
ライアスはやっちゃった感漂うげっそりとした顔でドリウスに答える。

「じゃあそっちのいかちい兄ちゃんも起こさないとダメだな。」
ドリウスはそう言うとイブナクを揺すった。
「ん…ライアス…。」
「ぷっ、オマエの夢でも見てんのかこいつは。」
ドリウスが吹き出す。
「ま…あれだけ振り回せばそりゃ夢でもうなされるわな。」
ドリウスはイブナクに同情的だ。
「なんだそれ、ドリウスはイブナクの味方か?」
ライアスは頬を膨らませるが、ドリウスは全く気にせずイブナクの体を揺すり続ける。
「おい、いかちい兄ちゃん、そろそろ起きろ。」
ドリウスはイブナクを執拗にゆさゆさと揺り起こす。
その間にライアスは着替えを済ませた。やはり翼を出し入れできる服は落ち着く。
ツインテールのリボンは赤のままにした。元々つけていた黒も持って帰るけど。