アーヤ陛下って奴はもしかして悪魔じゃなくて天界の住人じゃないのか、とライアスは考えた。
やっていることがどう考えても天界の住人のように思えてならない。
しかし、そのアーヤ陛下とやらが七罪だったとしてもおかしくはない。

そもそも傲慢が居留守を使ってるのに飽きて今ここにいるんじゃなかったっけ?
その事実だけを見れば、七罪が考えることなんて同じ悪魔であってさえ、わからないのだ。

「城ってどっちの方角だよ。」
イブナクに聞いてみる。
「城?アーヤ陛下がいる城のことか?」
それ以外に何を訊くって言うんだよ、とライアスはボソリと反論する。
「ここからだいぶ東の方だよ。行くまで何日かかかると思う。何日かかけて行っても門前払い当たり前だからな?」
「そうかそうか。ご忠告ありがとう。魔界に帰るまでだいぶかかるみたいだし、俺は早速寝させてもらうわ。」
ライアスはあくびをした。
傲慢のサキマの屋敷でのだらだらとした生活は睡眠が中心になりがちであり、今のライアスは眠たがりだった。

「一緒に寝ないのか?」
イブナクに訊いてみる。
「それはどういう意味?」
何故かイブナクは顔を赤くしてライアスに訊き返す。
「元々このベッドはオマエのものだろう。ベッドは睡眠を取る以外の用途に使えるのか?」
イブナク、17歳。悪魔とはいえ女性と一緒に寝るという事実には敏感に反応するお年頃である。
「あぁ、うん、寝るけど僕はもうちょっと後で寝るよ。おやすみ。」
イブナクはまだ起きているというのでライアスは睡眠をとることにした。