ライアスは悪魔狩りの詰所に連行された。
建物の奥へ連行され、イブナクが詰所の再奥の扉をノックする。
「俺をどうするんだよ…簡単に殺されてやる気なんかないからな。」
歩き疲れたライアスはふてくされながらぶつぶつと文句を言う。

「長、例の悪魔を連れてきました。」
「入りなさい。」
扉の中から応答があったのでイブナクがライアスを連れて入る。
しっかり腕を掴まれており、逃げるとしたらイブナクごと空に抱え上げなければならない。
「即座に斬り捨てていないということは迷い悪魔か。」
「そうです。暫く僕が監視することにします。」
「天界のゲートのカードはは来週にならないと届かないのでね。話が通じるのであれば、暫くおとなしくしていただきたいのだが。」
長、と呼ばれた男はライアスにそう言った。
「人間ごときにこの俺を殺せると?」
ライアスは邪悪な微笑を浮かべた。
「何故ただの人間が悪魔狩りをできるのか考えてみたことはないのかね?天界の加護を得た武具、マジックアイテム等があるからだよ。」
「天界と人間界には交流があるんだな。」
何故魔界の悪魔は人間界で迫害されるのか少々釈然としないライアスであった。

「お互いのためにちょっとおとなしくしていてくれればいい。」
長がライアスに言う。
「ふん、言い方が気に食わんな。」
ライアスから殺気が発せられる。
「お願いするんならそれ相応の言い方ってもんがあるだろ、人間。」
「お互いのために少々イブナクの家にておくつろぎになられてはいかがでしょうか。」
顔色ひとつ変えずに言い直す悪魔狩りの長。
「長…プライドないんですか…。」
イブナクが呆れている。
「そんなもの時に邪魔なだけよ。」
「ふん、じゃあおとなしくしてやるか。イブナク、早速家でだらだらさせてくれ。」
「こっちもこっちでただの引きこもりが好きな悪魔だな…。」
イブナクは呆れていた。