毎度のごとく、屋敷には勝手に入る。
結界が張られていたが、問題なく通り抜けることができた。

勝手に入ったはいいが使用人と思われる人間の女がライアスの尻尾を見て動転する。

「きゃあぁあっ!!」

「あ、おいこら、叫ばなくても!!」
ライアスが制止するが女の混乱は収まらない。
「誰かーっ!!不審な者が勝手にお屋敷に!!」

3人はあっという間に武装した人間に囲まれてしまった。
「ど…どうしよう。」
『笑うしかない。』
ドリウスの声が頭に響く。
「強行突破か?」
『ここにいる七罪が誰かわからないしそもそも本当に七罪の屋敷なのかもわからないからおとなしくしたほうがいいと思うけど。』
アフストイの声が頭に響く。
『皆殺しで。』
『それやっちゃったらマズイって。どういう意図で人間を飼ってるのかもわからないし。』
ドリウスとアフストイの声が頭の中で響き合う。

「とりま様子見、か?」
「両手を上げろ!!」
武装した人間に言われおとなしく両手を上げる。
「ここの主人に用事があるんだが。」
ライアスは一応言ってみる。

「なんの騒ぎだ。」
人間達の中において、ようやく魔力を放つ者が現れた。上級悪魔のようだ。
「ここの屋敷の主に会いに来た。」
上級悪魔はライアス達を見ると片手をあげた。
武装した人間達が武器を構えていた武器を収める。

「ご無礼があったようですね。皆の者、客人としてもてなしなさい。」
上級悪魔が命じると武装した人間達は離れ、使用人風の人間達に囲まれ応接室のような場所に通された。