「この森、噂よりヤバい。」
陰鬱の森の上空でドリウスが言う。
「あの大樹は悪魔や人間の生命力で生きてるわけね…。」
アフストイも嫌な顔で森を見下ろす。
「ライアス、油断しすぎ。」
人間に助けられるなんて、とアフストイは不機嫌そうだ。
「そう怒るなよ、めんどくせぇなぁもう。」
ライアスはやっちゃった感のある顔をしながらも、いつものセリフを吐く。

「間違いなくこの森は魔力にあふれてるんだけど…こう木が多くちゃ、七罪の場所もわからないかな。」
アフストイも契約者の失態にいつまでも怒っているつもりはないらしく魔力の流れを感知しようとする。

「こっち。」

アフストイは魔力の濃いほうを適切に探り、先導する。

少し飛ぶと屋敷の屋根らしきものが見えた。

3人は屋敷の庭に降り立ち、翼をしまう。