学習室に戻ると、アフストイが豪華な寝台を出していた。
おそらく人間界から転移させてきたものだと思われる。

アフストイはドリウスを見るとベッドを出した理由を言った。
「無理に眠る必要もないんだけど、あまり長い時間起きて調べても効率下がっちゃうからね。」
「ま、勤勉なんてはやんねっす。」
ドリウスもそれに答える。
「ベッドもう1台出してもらえないとライアスのとこで寝なきゃいけなくなるんだが。」
ドリウスはついでに自分の分のベッドも要求した。

アフストイは露骨に面白くなさそうな顔をすると、簡易ベッドを転移させてきた。
最上級悪魔の力は便利だなと思いつつ、既にアフストイを手の平の上で転がしている感覚すらしてきた。
ノアに自己申告していたとおり、アフストイはまだ若い悪魔なのかもしれない。

「じゃ、おやすみ。」
ドリウスのほうはアフストイに挨拶をしたが、アフストイは無言だった。
嫉妬のアフストイ、ね。七罪に恥じず、嫉妬心だけは強いようだ、と分析し、ドリウスも少し眠ることにした。