「じゃ、そゆことで、さっさと行くか。」
ドリウスは逃げるようにユーギットの部屋を出た。
「そうね。」
アフストイもユーギットの部屋から逃げるように去る。

部屋の中には魂を抜かれたかのような男女と、ライアスとユーギットだけになった。

「下級悪魔のうち5%の父親はアンタらしいが。」
「そうかもしんない。」
「俺の父親か?」
ユーギットは軽く驚き、目を丸くした。
「…オマエはオレの娘じゃないな。似てないし。魔力の質もオレとは異質だったからな。サキはオレの娘みたいだけど。」

「そうか。」
アフストイは言っていた。ライアスの生い立ちが気になる、と。
ライアスの魔力の器が大きい理由は生まれつきであろうことは推測できるのだが、全くわからなかった。