「たのもー!」
地下への階段を降りてノックもなしに扉を開ける。
そして部屋には…すごい人数がいた。何十人の悪魔が眠れるかわからない無駄に豪奢な巨大な寝台が置いてあった。
女悪魔、どうやって連れてきたのか人間の女、こちらもどうやって連れてきたのか不明な天使の女、可愛い顔をした少年のような者も混ざっている。共通点は全員半裸だった。
「嫉妬の。今はお楽しみの最中だってーの!」
薄着の女悪魔を両手に抱いて言い放つこの部屋の主は最上級悪魔の例に漏れず超絶美形であった。
茶色の髪に黒い目、引き締まった体は無駄な筋肉がなくしなやかな印象でとても妖艶な男だった。少し肌の色が黒い。
どういう手段を使ってか、人間界に頻繁に出向いているようだ。

生まれながらの最上級悪魔。
七罪のうちの一人。
色欲のユーギット。

『ライアスちゃん気をつけて。魅了されるよ。』
頭の中にアフストイの声が響く。
「まあ、嫉妬のがわざわざ出向いて来たんだし、用事は聞いてやるよ。何の用?」
「用事があるのは私じゃなくて、こっちのライアスちゃん。」
「ふーん。オレはユーギット。」
ユーギットはライアスをまじまじと見つめる。
「まだ幼女なのに抱かれに来たのか?」
ライアスの飛び蹴りがユーギットに命中した。