目を開けるとドリウスがライアスに寄りかかって眠っていた。

ドリウスが魔力をわけたのか、体の傷は薄くなっている。
今は傍にいるのが当然となった契約者の髪を軽く引っ張る。

ドリウスは起きなかった。

ライアスは先ほど見た夢に思いを馳せる。
ただの夢にしては変にリアルだった。

確かめるか?

誰に?

ノアはライアスに会った時、何も言わなかった。
アーヤもそれは同様だった。

無口なノアは口を割らない可能性もある。

「回避できるならしようと思っていたが…。」

そう、俺は怠惰のライアス。
面倒事は避けたい。
だが、ライアスの好奇心のほうが勝った。

「アーヤにはまた会わなきゃいけないな。」

ライアスの色違いの瞳にはいつものだるそうな色ではなく。

好奇心に溢れた色をしていた。