湯あたりで意識を失ったライアスは夢を見ていた。

「魔界にいる限りは魔界の方法で育てるべきだ。」

ノアの声だった。

「でも…、」

銀髪碧眼の美しい少女が嫌がる。

あれは、アーヤ?
美形という点だけが同じで、顔のつくりはよくわからない。

「無理。この子を放り出すなんて!!」

銀髪の少女は蒼い眼に涙を溜めてノアに文句を言う。
少女は無理に起きようとしてノアに止められた。

「…ッ!!」

無言だが悪魔を殺せるような眼差しにもノアは怯まない。

「聞き分けろ。ライアスのためだ。」

ノアは徐々に体が育っていく子供を抱き、窓から城の外へ飛び立った。

ライアスと呼ばれた子供は城門の前に連れてこられた。
10歳程度の姿になるまで、ノアが頭を撫でていた。

「ライアス、このことは忘れるんだ。記憶は封じておく。」

ノアが頭を撫でながら、ライアスに魔力を注ぎ込む。

ノアが目の前から去った。

大半の悪魔達はライアスに視線さえよこさない。

もっと時間が過ぎ、目の前に漆黒の男…ダークが現れた。

そこで、ライアスは目覚めた。