「あ、イブナク。」

イブナクが戻ってきた。

「ここは、2年前にアーヤ陛下が併合した国。」

イブナクは一瞬間を置く。

「通貨なら僕が持ってる。」

「ナイス!!」

ドリウスがニヤリと笑い親指を立てる。

「だいぶ貯まってるけど、豪遊は無理。」

「そうね。イブナクが人間界に帰ってからの生活もあるものね。」

スノーにとっては何気ない一言だった。
しかし、ドリウスはその一言でライアスの心が揺れたのを感じた。

「とりあえず…、」

イブナクがライアスとドリウスを見る。

「その服、変えない?」

イブナクにも、スノーと同じことを言われた。
ライアスとドリウスは顔を見合わせた。

「めんどくせぇ。」
「禿同。」

ライアスとドリウスが答える。

「目立つから着替えろ。」

イブナクはため息をついた。

『最初は服屋ね。』

スノーからの念話がイブナクに届く。
イブナクは2人を最初に服屋につれていくことにした。