「悪魔に義理人情を求めちゃいなかったけどさ。」
ライアスは独り言をつぶやく。

「ルファン様が死んじゃったから戦国時代みたいになっちまったんだろうな。なんで神なのに死ぬんだよ。」
ぶつぶつと愚痴を言いながらいつもの下級悪魔の溜まり場へ向かう。

尻尾を奪われたという事実は(何が起ころうとめんどくせぇですますライアスであれ)ちょっと恥ずかしかったので魔法を使って尻尾があるかのような幻に見せかけている。

誰に何と思われようと無関心なライアスだったが、隷属を強いられるのはそれほどの屈辱であった。

溜まり場まで飛んでいき、着地する。

そこは下級悪魔の嘆きにあふれていた。
尻尾を奪われた者、ツノを奪われた者、翼を奪われた者、痛みと屈辱でボロボロの下級悪魔たちが涙を流している。
翼を奪われた者はもう飛べない。ライアスは尻尾ですんでよかったのかどうか、渋い顔をした。

下級悪魔の嘆きの広場に一人の悪魔が舞い降りた。
最近、尻尾も翼もツノも隠せるようになったサキだった。