スノーは学習室に籠もりきりだった。

人間から悪魔へと堕ちたスノーにとって、魔力とは未知のもので、強大な魔力を持っていても使い方など知らなかったのだが。

簡単な魔法からあっさりできるようになり、中級の魔法書に手を出す。
中級の魔法書の魔法も簡単に使えることがわかると、今度は上級の魔法書に手を出す。
あっさりと使えることに驚く。

かつて、ライアスが使った竜に化ける魔法を見つけた。
ライアスは蒼い竜になったが、体色は術者によって違うらしい。

「上級魔法か。魔力がないと発動できないのね。」

竜に化けてイブナクと遊んでみようかしら。
物騒なことを考えながらも、他の魔法も気になるので次の魔法書を読む。

何徹したかわからなくなった頃、部屋に戻る。

ライアスはまだ眠っている。
ドリウスはずっとライアスについている。
ドリウスもライアスと血の契約、真名の契約をしているようだが、スノーはライアスが起きて真相を話さないことには、血の契約の破棄も考えていた。

血の契約をした相手を理由もなく気紛れで殺すような悪魔には背中は預けられない。
悪魔的な考え方だと、あっさり斬られるほうが悪いのだが。
スノーの考え方が若干人間寄りなのは、やはり元々人間だったからだろう。

イブナク、ドリウスとはまた違った理由で、スノーもライアスの目覚めを願っている。