ライアスは夢を見ていた。
ダークに尻尾を奪われたときの夢だった。
悪魔に義理人情は期待していなかったとはいえ、手を貸すと言っていれば、血の契約をしていたら…
今でもダークはライアスの傍に居てくれたのだろうか。
夢の中でライアスは大声で泣いていた。
ダークは、人間で言うところの、育ての親に近かったのだ。
「ダーク、ごめん。ごめん。今から血の契約をしたら、俺の尻尾を、返してくれる…?」
ダークは無言で去っていく。
ライアスは必死に飛んで追いかけていくのに、どんどん離されていく。
飛ぶ速ささえ違う、絶望感。
夢の中で、ライアスは泣いていた。